【読書記録】ヘリコプターマネー
お盆の間に井上智洋 氏の著作である『ヘリコプターマネー』を読みました。
井上氏はマクロ経済学を学んだ日本の経済学者であり、特にAIの進化が雇用に与える影響について研究されているそうです。
こちらはAIが与える雇用の変化についてではなく、「なぜ日本経済は金融緩和を行ってもデフレから脱却できないのか」についてマクロ経済への導入から丁寧に紐解いてくれる本です。
私自身、経済学にはまだまだ疎く勉強中の身ですが、こちらを読むことで
マネタリーベースとマネーストックの関係性、なぜマネタリーベースを増やすだけではデフレを脱却できないのか
等について考えることができるようになりました。
私にとっては十分に納得の行く答えがこの本の中にあったように思います。
そもそも僕に経済について教えてくれた方が所謂「リフレ派」なので、この本も例に漏れずリフレ派の論調なのですが
その主張を理解するには初心者の私にも十分についていくことができる良書でした。
最後の第5章はやや主張の詰め込みを感じましたが、おそらく著者の他の本で1冊まるっと触れられているのでしょうね。
夫婦でiDeCoを始めてみる―証券口座は一緒にすべき?分けるべき?ー
お久しぶりの投稿です。
明日から新年度ですね。
さて、表題の通り2019年度からは泥夫にもiDeCoを始めてもらおうと思っています。
僕自身は、すでに楽天証券でiDeCoとNISAを始めています。
夫はどちらもまだです。
外貨建てで入ってた低解約返戻金型終身保険を辞めることに決めたので(また今度詳しく書こうと思います)その余剰資金が確実に出ますから
まずはiDeCoから始めてもらいます。
順次、つみたてNISAも始めてもらおうと思います(というか僕が始めるんですけど)。
さて、ここで一つの問題が
夫婦でiDeCo/NISAを始めようと思ったら、証券会社は一緒がいいの?別々がいいの?
結論から言うと、泥夫婦は別々の証券口座で始めることにしました。
夫婦でiDeCoを行うときに証券口座を別々にするメリットとデメリットについて考えてみます。
・夫婦で違う証券口座を用いるメリット
①証券会社によって取り扱う商品が違うので選択の幅が広がる
②証券会社の倒産、システムエラーなどのリスクを回避できる
iDeCoにしろNISAにしろ、証券会社によって投資できる商品が異なります。
インデックス投資では基本的に長期運用を目指すので信託報酬の安いものを購入するのが王道ですが、現状でほとんどのジャンルで最安値に近い信託報酬であろうeMAXIS Slimシリーズは楽天証券のiDeCoでは購入できません。(つみたてNISAでは購入可能)
今後も各証券会社はしのぎを削って信託報酬の安い商品を出してくるのではないでしょうか。
その時に、夫婦が違う証券会社なら新しい商品に投資できる可能性も高いのかな~なんて考えました。
・夫婦で違う証券口座を用いるデメリット
①取引の効率が悪くなる可能性がある
②画面表示が異なるので慣れるまで見るのが面倒
と書いてはみたものの
泥夫はほとんど投資に興味なし…なので(笑)、ほぼ間違いなく泥夫の分も僕が運用することになるでしょうw
なので①はほぼ関係なし。
問題は②で、僕は多分慣れている楽天証券の方が見やすいんでしょうが
新しい証券会社も使ってみたい、という思いが強く、夫婦別々の証券会社に鋼材開設することを決めました。
ちなみに泥夫分の証券会社を開設する予定なのはSBI証券
口座開設手数料も無料ですし、前述のeMAXIS Slimシリーズも購入可能です。
運用してみてどうかなーっというのはまた後日。
それでは、皆さん新年度も頑張りましょう!
研究生・専攻医などの大学病院日雇い医師に思うことー出産育児の観点から―
先日、NHKのニュースウォッチ9で「無給医」が取り上げられたそうですね。
さっそく、我らがJoyの心強い味方、joynetさんからも記事になっておりました。
私自身はニュースウォッチ9は観ていません。(すみません…)
が、無給医、あるいは非常勤勤務については思うところがあります。
かくいう私も、妊娠出産を望むのであれば無給、よくても非常勤(日雇い労働)ポジションを軽ーく勧められた一人だからです。
そもそも大学には各診療科ごと(大学によって○○科と××科は一緒、などあるものの)に医局があり、医局毎に正職員として雇える医者の数は決まっています。
これは、少なくとも国公立の大学であれば、その数は人件費の範囲で決められてしまうのでそう簡単には増えません。
けれども、その数は大学病院を運営しつつ医学部や看護学部の学生に講義をする医師数を賄うには圧倒的不十分です。
そこで、「無給医」や「非常勤(日雇い)」という勤務形態が生まれます。
大学病院には一見普通に働いている医者のようでも「無給医」「非常勤医師」がごまんといます。
実際ぼくが大学で働いていた時、僕の同期はほぼほぼ「研究生」という名の非常勤医師でした。
ぼくの知る限りでは「無給医」の餌食になるのは圧倒的に大学院生です。
が、こちらに関してはほかの先生方がとても分かりやすい記事を書いてくださっているので参考にしてください。
なぜタダで働くのか?「無給医」たちの現実 ~医師の視点~(中山祐次郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
ぼくが取り上げたいのは「研究生=非常勤医師=日雇い医師」
こちらは今回の無給医とは少し異なります。
また、病院によって専攻医、とか助手、とか呼び名は様々です。
日払いでお給料がでます。ので無給ではありません。
が、どんなに働いても時間外は出ませんでした。契約した時間だけ働いているものとみなされていたんです。実際そんなこと全然ないですけどね。
だいたい7時過ぎには病院にいて、7時半から病棟の仕事して8時半には手術入室に付き添い手術終了後に術後管理や病棟の仕事をすれば20時に帰れる日は「今日は早く帰れる!!!洗濯できる!!!」って感じ。
もちろん緊急手術や患者急変で裏切られるんですけどね。週5日以内、の就業規則なんて何のその、休日ももちろん出勤でした。
余談ですが、ぼくが働いていたころは、就業規則の時間外労働にかんして
「なお、教員としての自己研鑽に勤める時間は給料は発生しない」
みたいなことが書いていった気がしますが、いくら探しても見つけられません。
このご時世、しれっと消されたんでしょうか…
さて、この日雇い労働医師、時間外が出ないだけでなく病院によっては
厚生年金ではなく国民年金だったり
雇用保険に入れていなかったり
いろいろ不遇なのですが
ぼくが一番悲しかったのは
勤続1年に満たないものは育児休暇が認められない
というもの。
子供が欲しい世代の女性に
医局命令で半年や1年で移動を命じているのに
大学病院に1年以上勤務してないと育休が認められない
って、おかしくない?おかしくないの??
たぶん、医者は「医局」に属してその人事で動いていますが、大学病院は「公的機関」や「法人」として「正職員」と「非正規雇用」での待遇を決めている歪みからくる落とし穴です。
その間、無給で勝手に休めばいいじゃないって…
まあ、夫も医者ならそれもできたかもしれませんがね…
専攻医の年齢って、ストレートで来ても24歳で大学卒業、その後2年の初期研修を経て
26歳~なんですよ。
で、いつでも育休が取れる病院助手やら助教やらと呼ばれる立場になるのって
35歳overが多いと思います。(個人の感想です)
ポストが空かなければ、もっと遅い。
35歳を過ぎるまで…あるいはそれ以上の期間、どんなに頑張って働いても、ぼくの人生の一大事の時に支えてくれるものって…ないんだな
と、軽い絶望を覚えたのを、今もありありと思い出すことができます。
年上の女医さんたちは何とか乗り越えてきたんだから、甘ったれてるという人もいるでしょう。
私ができたんだからあなたも大丈夫!という先輩も実際いました。
でも無理です。
うちの大黒柱は僕なんです。
そんな保証のない人生のギャンブルに最愛の夫を巻き込めません。
それでもこの研究生、助手、専攻医という立場がなくならないのは、その先に専門医というエサがぶら下がっているからではないでしょうか。
そうです。餌をぶら下げられた圧倒的弱者だから、この立場に甘んじているのです。
ぼくは他の理由もいろいろあり、自分と夫の方が大事だ、と自分に言い聞かせて専門医はあきらめようと決めましたが
いろいろ言われてるけどみんな持ってるものはやっぱり持ってた方が安心じゃないですか。
チキンのぼくには、かなり勇気のいる選択でした。
今のところ後悔はしていませんが。
今後、新専門医制度は医局を去った若手医者を再度医局に集めようと動いている気がしてなりませんが、旧医局を復活させただけでは、絶対にまた崩壊します。
特に妊娠出産に関しては、制度の整っていない医局、あるいは医局の制度と病院の保障に乖離のある大学病院が多数あるように思います。
それでも妊娠適齢期の女性を、専門医を餌に囲い込む気なの…?
せめて、若手女医の皆さんは妊娠出産前に、自分の務める医局や病院が自分をどれだけ制度として保障してくれるか確認してみてほしいです。
ロールモデルも大事だけれどね。
風疹の予防接種をしてみた② 僕の自治体の場合
実際に、僕の自治体での手順を書いてみます。
この手順は自治体によって実に様々ですので
風疹の抗体価検査、予防接種を受けたい方は、必ずご自分の自治体での手順をご確認ください。
とりあえず僕が伝えたいのは
こんなに面倒じゃ、浸透するわけない!!!!ということ。
では手順です。
①保健所のホームページから「風疹予防接種(あるいは抗体価測定)依頼書交付申請書」をダウンロード
記入の上、FAXまたはメールで問い合わせ先へ送付する。※捺印が必要
②市から「風疹予防接種(あるいは抗体価測定)依頼書」が交付される。
③医療機関に予約の電話をしたうえで、「依頼書」をもって受診。
予防接種を受け、いったん自己負担
④領収書、通帳、印鑑をもって保健所に出向き、助成分を受け取る手続きをする
⑤数か月後に返還される
これ、面倒じゃないですか…?
僕がものぐさなだけ?!?!
まずはステップ①…
依頼書いるの? ※無い自治体も多いようです
一応自治体の言い分としては
「万が一、ワクチンによる健康被害が起きた際に、自治体の依頼でワクチンを打ったと証明し保証を行うために必要」
とのこと。
一定の年齢の女性とパートナー、同居者は全員対象、自治体からの依頼とみなす
でいいんじゃないの?
(本当なら、何歳でも希望者全員にしてほしいぐらいだけれどそこは置いといて)
しかも、捺印が必要ということは、一度印刷してハンコを押して
FAX or 郵送する or スキャナで取り込みなおしてメールする
という手順が必要なんですよ。ハンコいります?
せめてハンコがなければ、必要事項を記載してメール、だけでよければ
スマホだけで依頼書が取り寄せられるのに…
そしてステップ④
保健所に行かないとだめなの?
普通にお仕事してる人、予防接種で病院に行くのに仕事休んで、助成金もらいに保健所行くのに時間給もらって…
って、かなりハードル高くないですか?
いや、未来の子供を守るための時間を休めない社会の方が間違えているとは思うのですが…
危機感のない働き盛りの若者が踏むには、あまりに面倒なステップ…
本気で先天性風疹症候群をなくしたいならせめて、
対象者は医療機関に電話して予防接種を受けるだけ。その際にお金は払わない。
にするべきですよね。すべての自治体が。
※特に都会の方は、そういう自治体の方が多いようです。
それとこれは医療者向けの注意喚起ですが
親切心で麻疹やムンプスの抗体価も調べてあげたり
MR、MMRワクチンを打つと助成の対象外になってしまうことがあるとのこと。
これも、もちろん自治体ごとです。
僕の住んでいる自治体はMRワクチンは全額ではないが一部保証、でした(風疹ワクチンのみは全額保証)
自治体ごとに対象者や助成額、手順が違うのも混乱しますよね。
もう国主導で統一してやってほしい。。。
助成を受けて、風疹の予防接種をしてみた①
今年は首都圏を中心に、風疹が大流行しています。
あっという間に地方にも拡大していますね。
茨木、京都、大阪、広島と各地方都市にも広がっています。
9月は3連休も2回あり、さらに加速度的に広がることが予想されます。
予防接種を受けましょう!
妊娠希望の女性やその配偶者は自治体から助成が受けられます!
などという声も上がりますが、実際にどうしたらいいのか?は
なんと、医者でもしらないことが多いです…
今回、僕は実際に自分が住んでいる自治体の助成をうけて自分にワクチン接種を、夫に抗体検査とワクチン接種を行いました。
が、うちの病院の事務、医者(自分も含めて)ともにどのように事を進めればいいかわからず全部僕が調べて行うことになりました。
どのように事を進めたのか次の記事に書いてみます。
ただ、結論としては
病院で相談するより先に
ですが、恐ろしいことに私が働いている(住んでいる自治体とは別)自治体ではHPが担当者も知らない間に削除されてしまっていたようです。
ググって出てこなければ、役所に電話
最終手段はアナログですが確実ですね。
てかHPが削除されてるとかイマイチ過ぎるだろう●●市…
僕の電話で気づいたようで、担当者が急ぎ再掲載してくれるとのこと。よかった。
ユマニチュード入門 読書記録
下記の本を読みました。
Twitter上で「認知機能の低下した患者さん家族へのアドバイスに使えそうな本を教えてください」とお願いしたら紹介していただいた本です。
僕は、恥ずかしながら『ユマニチュード』という言葉を初めて知りました。
テレビなんかでも紹介されていて有名なんですね。
ユマニチュードとは
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フランス領マルティニーク島出身の詩人であり政治家であったエメ・セゼールが1940年代に提唱した、植民地に住む黒人らが自らの “黒人らしさ” を取り戻そうとした活動『ネグリチュード(Negritude)』にその起源を
(以上、本書の「はじめに」より抜粋)***********
もっているんだとか。
『Negro(黒人)』の部分を『Human(人間)』にしたことで『人間らしさを取り戻す』という意味にしたんですね。
本文では具体的に
このようなケアの状況では、認知機能の低下した方はこのように感じている(と考えられる)→それに対する具体的な解決策
が語られる。
声のかけ方、触れ方、視線の投げかけ方について繰り返し説かれていく。
率直な僕の感想は、「『当たり前のこと』が書いてあるなあ」というもの。
認知機能が低下していても、相手を人間として扱うのは『当たり前』
けれども、忙しい日常の中で業務をこなすことが優先されている状態も『当たり前』
本書の中では何度も
『難しいことではありません』
『この時間をかけることで、ケアはむしろ効率的になります』
と語りかけられます。
けれども私は、すべてを実践するのは難しいと感じました。
でも、『いくつか』は確実にできる。そして徐々に増やしていける。
その効果はケアに携わることが少ない時分にはまだ不明です。
まずは、回診時にベッドボードをノックすることから、初めて見ようと思います。